祇園祭の山鉾が四方に見え、「鉾の辻」とも称される四条室町。また、下京の中核と認識され、「札の辻」或いは「四条町の辻」と呼ばれた四条新町。京都が商工業都市として発展する中心的役割を果たしてきたこれらの界わいは、商いのまちとして歴史を刻み続け、応仁の乱により中断した祇園祭も町衆の手で再興を遂げた。ひと、もの、情報が交流し、商いと住まいが共存するこの地には、自治の気風と文化芸術に親しむこころが培われてきた。いまも京都の中心として賑わい、数百年に亘る伝統とそれを受け継ぐこころが息づいている。